あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
「どうかしましたか??」
「あっ…あなたは…」
猫のおやつの男性だ。
この時間には珍しい。
事務所で仕事をしていた店長が、外付けの防犯カメラをモニターで見たのか様子を見に出て来た。
「…あっ、いえ、あの」
「この子が、変なこと言うのよ!!猫がどうとか」
「あの、鳴き声が聞こえたんです!!間違ってたらごめんなさい!!」
頭を下げ、おろおろする私の方にすたすたと向かってきた男性。
「失礼」
言うと、ライダースジャケットのポケットからハンカチを取り出し、ボンネットをコンコン、と軽く叩いた。
「ちょ、ちょっと!?何してるの!?」
「…にゃあ」
消え入りそうな声が微かに聞こえた。
「いますね。開けて頂いても構いませんか??」
「はっ!?」
「ここ、開けて頂けませんか」
ボンネットを指して。
助手席に投げ出してあったファーコートを羽織ると、しぶしぶ出てきてボンネットを開ける。
「おいで、大丈夫だよ」
奥の隙間から小さな子猫を手のひらで掬い上げる。
「あっ…いた」
「マジ!?」
女性も驚く。