あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
**どうすれば
とにかくベッドに運ばなくては、と、引き摺ってみる。
「…う~ん!!お、も、い……」
ベッドはすぐ目の前にあるのに。力の抜けた巨体はやたらと重い。
少しずつ少しずつ、引き摺ってようやくベッドに寝かせることができた。
「凍り枕かアイスノン、タオルに洗面器???」
枕元に置かれたビニール袋に薬があった。
そういえば病院に行っていたとか言ってたな、と。
けれど。何がどこにあるのか。
あちこち家捜しして、とりあえず冷やすものは見つかった。
「……ふう」
改めて部屋を見渡す。
隣は、リビングだろうか。きれいに片付いた部屋だ。
低めの、木目調の本棚には動物に関する本がびっしりと収められていた。
窓際には観葉植物。
比較的物の少ない部屋だ。
一人暮らしにしては広い。
誰かと一緒に住んでるんだろう。にしては誰も帰ってこない。
住んでいる気配もない。
壁のお洒落な振り子の付いた時計は7時になろうとしていた。
ぐう~…
お腹が鳴る。
そういえば食べ物をまともに口にしていなかった。
せめてパンか、お米があれば。炊くこともできるけど。
どうせ目が覚めたら、なにか食べさせてあげなきゃいけないし、と。