あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
とりあえず仕方ない。
目の前の現実を、この空腹を何とかしなくては。
一旦落ち着こう、私。
「お米、炊飯器、…えーっと」
台所に入って物色する。
こちらにもあまり物がないようで、生活感がほとんどない。
冷蔵庫にも、缶ビールが数本。
食材の類いはほとんどない。
本当に一人暮らしなのかな。
お嫁さんに、という言葉がよぎって、ドキッとする。
「いや、ないない。聞き間違いだ」
彼女さんとかとお洒落なレストランとかでお食事するんだきっと。
「でも、外食ばかりじゃダメですよ」
大きなお世話だ。
そう思いながらも、今ここにいるこの不思議な感覚に、なぜか楽しんでいる自分もいた。