あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
まだ春先の肌寒い朝。
そういえば2ヶ月くらい前にも似たようなことがあった。
「いらっしゃいませ」
「タバコ、3番の」
「あっ、はい、えっと…」
成人したからと言って、煙草を吸わない私は、番号で言われてもやっぱりおろおろしてしまう。
そして鈍臭かった。
商品棚の位置も高めでやっと届く高さだ。
「急いでんだけど。早くしてくんないかな」
苛立つお客様。
顔は何となく覚えていた。
背は高めで作業着姿の、茶髪で30歳くらいのいかついお兄さん。
外に止めた軽トラック。これから現場か何かで、煙草と缶コーヒーを買う。
「…もっ、申し訳ございません」
「その、手のところの白い奴」
「えっ??あっ、これですね。ありがとうございます」