あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
「起きてください」
男の人の声に、
うん??
と、顔を上げる。
朝だ。
ワイシャツの前を開けたまま、上体を乗せ両手を付いた董坂さんが、目の前にいた。
引き締まった胸板が。
顔は洗って身仕度は整っているようだった。
「きゃあっ!?」
反射的に慌てて胸を覆う。
「まだ何もしてません。起きてください」
「『まだ』???えっ!?…『まだ』って…???」
起き上がると、ニヤリと嘲る。
「何があるか分かりませんからね、世の中」
わからない。
この人が何を考えているのか。
というか。
思い出した。
この人の部屋に住むことになったのだ。
同棲??いや、雇用??いや、………拉致???いやいやいや!!
ぶるぶるぶるっと頭を振る。
でも。
何だかんだで携帯と免許証は隠されたままだし。
「仕事、行きますよ」
「え"っ!?しごと、って…」
「ペットシッター董坂櫻の仕事ですよ」