あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
「触っていいですか??」
爪切りが終わったタイミングで恐る恐る尋ねてみた。
「…生態系は猫に近いので、そっと指を近づけて臭いを嗅がせてください。最初から撫でようとすると怯えて警戒します」
マルを床に放してみる董坂さん。
屈んでゆっくりと指先を近づけてみる。クンクンと鼻を動かすと、思いも掛けず膝に乗って驚く。
「ひゃあっ…可愛いっ」
「…僕でも懐くのにひと月掛かったのに」
何となくふて腐れる。
けれど横目に抱っこして撫でる。
地味に感動した。
向いてるかも。
けれど。
油断した。
「いっ…?!」
ガブリと前の歯で噛まれた。
地味に牙で手に食い込む。
「やられたか!!」
慌ててマルの口の端に指を入れて開けさせる董坂さん。
「…えっ……!?」