あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
元気よく鳴いたのは茶色い毛並みのトイプードルだ。
飛び出さないように柵の中にいるらしい。
「可愛いっ!!」
言って、さっきの要領で洗面を借りて手を洗って消毒する。
「学習したみたいですね。あとはみだりに部屋やらドアを開けないこと。他人様のお宅ですからね」
「はい」
そしてこちらは缶詰のウエットフードと水を替えている間に、トイレの紙シーツを交換し、軽く毛繕いをして、終わった頃に飼い主が帰ってきた。
同じ年くらいの男の子だ。
田舎から出てきたばかりの素朴な雰囲気だった。
「すみません。いつも助かります。今日は残業なかったんで早く帰ってこれました」
代金の入っているらしい封筒を渡される。
そしてふと、私を見ると、
「可愛いですね、新人さん??」
「あっ、ありがとうございます。お手伝いさせてもらってます。橘と申します」
赤くなってペコリとお辞儀する。けれどまた、少しムッとされる。