あなたに恋心~handlingーWarning??【完】


家に帰ってから、ひと言も口を聞かなかった。


今度は私が本気で怒っていた。
無言で卵でお粥を作り布団に寝かせた。


わかってる。
本気で怒ると口も聞かないのは私の悪い癖。


でも。
あんなに言ったのに。
怒っていいところですよね??


「………あの…」


声を掛けられても完全に無視した。何を言われても相手にしなかった。


「…すいません…でした」


そのうちに、疲れが出たのか眠ってしまったようだ。


と、
玄関の鍵が開いて誰かが入ってきた。
顔を出した私に、


「…どちら様??」


「えっと、あの…??」


すごくきれいな女性だ。
30代だろうか。


艶々の背中まであるストレートの黒髪。睫毛の長い黒目勝ちの大きな目。整った顔立ちの美人。


スリムなのに出るところは出て括れもある、足も長い。もちろん私より背の高い。


ボディラインの強調された濃紺のスーツ。
いや何度でも言おう。すごく色気のある美人だ。



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