あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
「まあまあ!!汚いところですがどうぞ!!遠かったでしょう」
遠いと言っても車で1時間ほどだ。
テレビでしか見たことのないような垢抜けた青年に、もてなしも手厚い。
ベージュのスプリングコート。白いVネックセーターにデニム。正装でもないけれど、さすがにダメージではない。
どう見ても爽やかな好青年だ。
「姉ちゃん、まだ就職難民中だろ??どこで捕まえたんだよ!?こんなイケメン!?姉ちゃんが合コンとか行くはずないし」
擦り寄ってきた柚季に耳打ちされる。
偏見だな。
確かにそうだけど。
この犬みたいな弟も、さすがに初対面の相手に声を掛けられないようだ。
「た、たまたま、よ。バイト先のコンビニで知り合って。まだお友達」
「彼氏として紹介してくれないんですか??」
「え"っ!?いや、……えっと」
「それとも僕にはまだチャンスはないんですか??」
「えっ!?何なに!?どういうこと!?まさか姉ちゃん、他に好きな男が!?」
いちいちオーバーリアクションで食い付く柚季。