あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
入り口で立ち止まった心花に、後ろから入ってきた明里が声を掛けた。
帰りに近くまで来たのでトイレを借りようと立ち寄ったのが仇になってしまった。
裏のゴミの処理で出ていて、騒ぎに気付いていなかったのだ。
「彼氏さんとお揃いで何してるんですか??」
けれどふと、董坂が視界に入り、まずい、という顔をした明里。
「あっ、えっと…」
心花が咄嗟に背を向けて逃げた。
「待って!!あの…」
「彼女に指一本触れないでもらえますか」
反射的に間に入る洸亮。
「………邪魔しないでもらえませんか…??」
静かに怒りを飲み込む董坂。
こんな奴に。
こんな奴に心花を取られたくない。
「私っ!!」
「…えっ…」
「…私、…洸亮さんとお付き合いします。両親にも会ってもらいました。……婚約者さんとお幸せに」
精一杯の嘘をついた。
つもりだった。