あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
どんなに好きでも。
嘘を付いてでも忘れなきゃいけない想いがあるのに。
「わかったようなこと言わないで!!何もわかんないくせに!!」
LUCAの手が振り上げられ、平手打ちしようと私に向かって飛んできた。
「………っ!!」
咄嗟に目を閉じた。
「…なにやってんですか、全く」
LUCAの背後から呆れた声がした。振りかざした腕を掴んでいる董坂さんの姿があった。
顔には擦り傷、羽織ったカーディガンは、なに気にほつれ、デニムが土で汚れ。靴だけが真新しい。
どこからか逃げて来たような風貌で。さすがにその辺で靴だけ調達したような。けれどその表情は至って平静だ。
いやむしろ、また怒りを抑えているようにも見える。
「………董坂…さん???どうしてここに!?」
「どうしてもこうしても。ここは僕の家ですよ」
「いや、だって…」
言わない方がいいんだろうな、
その部屋で今何が起こっているのか。
「父が来てるんでしょう??美人秘書と」
バレてた。
いや知ってた。