あなたに恋心~handlingーWarning??【完】
怒りわめき散らしておいて何だけれど。
怒りたかったわけでも、腹が立ったわけでも、もちろんない。
確かに目茶苦茶な人で振り回されたと言えば間違いではない。
混乱しなかったと言えば嘘になる。
ここまで好きになったのかも謎だ。我ながらよくわからない。
―――でも。
今さら嫌いになれるはずもない。嫌いと言えるはずもない。
でも。
忘れなくてはいけない相手だ。
財閥の御曹司だなんて。
身分が違いすぎてピンと来ない。
考えてはいけない。
想ってはいけない。
こうするのが一番だと思った。
これしか考え付かなかった。
出会うべきじゃなかったのだから。