幼馴染以上恋人未満
「ここだよ」
またまた思考に浸かっていた私。志樹の声でその思考は途中で中断された。
「ここ?」
「そう」と言った志樹は第1化学準備室の扉を開けてくれた。
中に入った私は辺りを見渡した。そこには教卓、数台の実験机とパイプイス、壁にはホワイトボードまであり、あとは化学で使われる器材が仕舞われてる棚がズラリと並んでいた。
「うわー、凄いね!私の高校の化学室より揃ってるんじゃないかな?」
「そりゃそうだろ、ここ大学だし」
う…、それはそうだけどさ……。そんな言い方しなくても…。
それでも辺りを見渡した続けていた私。
私はこの時、志樹がガチャリと準備室のドアに鍵を掛けていたことに気づかずにいた……ー。