幼馴染以上恋人未満
だがその中には2箇所だけデザイナー名は記載されていなかった。
それはドレスとシューズだ。
そこだけ横に"優秀な人材を見つけることができず志樹様に担当してもらいます"と書かれたあった。
多分、見つけられなかったなんてには嘘だなと分かった。
そう。俺に与えられたのは『エステルラ』の立ち上げと同時にドレスやシューズのデザインも任されたのだ。
「どうするの、志樹くん…」
そう言葉にしたのは紅葉さんだった。
「やるしかないですね。俺にはこのみしか愛せないので」
いったん言葉を止めて、窓から見えるこのみの部屋に方を見つめて…
「それにこの1年間俺は彼女に避けられます。こんなこと言うのはなんですが、その期間を利用してファッションのことを勉強しようと思います」