幼馴染以上恋人未満
「それは…まあ…」
最後まで言葉にはしなかったが、そんな俺に紅葉さんは「でしょ?」なんて笑顔で言われた。
「その代わり、僕たちにも条件を出させてもらうよ」
「え……」
まさか条件を出すなんて言われると思わなかった俺は危うく手に持っていたタブレットを落としそうになり、
間一髪でもう片手で持ち直した。
「じょ…条件とは…」
「いや、簡単さ。その新ブランド店をこのみの21の誕生日までに立ち上げたら僕たち志樹くんにこのみを託すよ」
21って……。7年後じゃないか!
もしかして計算したのか?いや…そんなはずは…
俺は智さんを見つめたが、表情からは何も読めない。
「……分かりました。必ずこのみが21になる前に立ち上げます」
それから俺はリビングに母さんを呼び戻して、智さん達と夕飯まで話し込んだ。