幼馴染以上恋人未満



それが女の人だと気づくのに時間はかからなかった。
志樹と同じように白衣を着てるところから、同じ学部の先生かどっちかだろう。


白衣を着ていても分かるスタイルの良さで、二人が並ぶと絵になる。
私がいる位置からは二人の会話は聞こえない。



でも時折、女の人が志樹に触れたりしている。それだけで自分の中にある醜い嫉妬がフツフツと湧いてくる。


でも彼女でもない私にどうこうする資格はない。


こんな感情は女の人が去っても治らなかった。
少し嫌味でも言おうと彼に近づいた途端…



「え…...っ!?」



バタンとその場で倒れた彼に、私は慌ててそばへ駆け寄った。


「え、ちょ、志樹、大丈夫!?」


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