能ある鷹は恋を知らない
こんなにも優しく熱いキスは久しぶりだ。
唇が離れたかと思うとまたすぐ引き寄せられる。
求められるのと与えられるのを両方感じてどんどん夢中になっていく。
お互いの唇から漏れる吐息とはしたない水音だけが車内にこだまして耳を支配する。
何も考えられず応えるのに精一杯になっているとふと唇が離れ、至近距離で目が合う。
いつも冷静な瞳に熱が灯っているのを見て胸が熱くなる。頬に触れる手も体温が上がっているのが分かり、その優しい手のひらにずっと触れてほしいとさえ思う。
この人が好き。
どうしようもなく後から後から気持ちが溢れだす。
人を好きになることがこんなに激しい感情だったかと思うほど、求めてしまう自分がいた。
「今日は連れて帰ってもいいか」
「…っ」
そんな目で耳や頬を撫でられて拒めるわけがない。
今すぐもっと抱き締めてほしい。
そう口走ってしまいそうな程気持ちが昂っているのに。
言葉にはできずに頷いて肯定する。
その瞬間また掠めとるように口づけられた。
「ん…っ」
唇が離れると高島さんは車のエンジンをかけていた。
ちらりと顔を見るとすでにいつものような冷静な無表情になっている。
どこまでも余裕のある人だ。
私はもうただ運転しているその姿だけでどうしようもなくカッコよく見えて胸が高鳴ってしまうのに。
車が走る間、どちらも口を利かずに車内にはエンジン音だけが静かに響いていた。
身体中に燻った熱をもて余すように、ごまかすように窓の外を流れる景色を見つめる。
ただ早く、二人だけになりたかった。
唇が離れたかと思うとまたすぐ引き寄せられる。
求められるのと与えられるのを両方感じてどんどん夢中になっていく。
お互いの唇から漏れる吐息とはしたない水音だけが車内にこだまして耳を支配する。
何も考えられず応えるのに精一杯になっているとふと唇が離れ、至近距離で目が合う。
いつも冷静な瞳に熱が灯っているのを見て胸が熱くなる。頬に触れる手も体温が上がっているのが分かり、その優しい手のひらにずっと触れてほしいとさえ思う。
この人が好き。
どうしようもなく後から後から気持ちが溢れだす。
人を好きになることがこんなに激しい感情だったかと思うほど、求めてしまう自分がいた。
「今日は連れて帰ってもいいか」
「…っ」
そんな目で耳や頬を撫でられて拒めるわけがない。
今すぐもっと抱き締めてほしい。
そう口走ってしまいそうな程気持ちが昂っているのに。
言葉にはできずに頷いて肯定する。
その瞬間また掠めとるように口づけられた。
「ん…っ」
唇が離れると高島さんは車のエンジンをかけていた。
ちらりと顔を見るとすでにいつものような冷静な無表情になっている。
どこまでも余裕のある人だ。
私はもうただ運転しているその姿だけでどうしようもなくカッコよく見えて胸が高鳴ってしまうのに。
車が走る間、どちらも口を利かずに車内にはエンジン音だけが静かに響いていた。
身体中に燻った熱をもて余すように、ごまかすように窓の外を流れる景色を見つめる。
ただ早く、二人だけになりたかった。