能ある鷹は恋を知らない
「これでもう俺のものになったということだな」
唇を離した高島さんが前髪を流すように顔に触れる。
その表情があまりに優しくてまた涙が溢れてきた。
「はい…」
「きみがこんなに泣き虫とはな」
「嫌ですか…」
「そんなことはない。俺はきみの全部が見たい。俺に何も隠すな」
そう言って瞼に口づけられたかと思うと舌で涙を掬われる。
「や…っ汚いです」
「隠すな。全部俺のものだろう」
「そんな…っ」
顔を反らそうとするも頬に手を当てられて逃れられない。
熱い舌が触れる感覚にぞくりとする。
「ん…っや、普通にキスして…っ」
顔を舐められる内に変な気分に苛まれる。
懇願するように訴えると突然身体を離した高島さんに抱きかかえられた。
「え、なに…」
「きみを抱く。好きなだけ口づけてやる」
「えっそんなつもりじゃ…っ」
ボスンとベッドに下ろされ、すぐに唇を塞がれた。
腔内を蹂躙するような激しい口づけに息をするのもままならない。
すぐに身体の奥から熱が競り上がってきた。
キスと同時に耳に触れる手に堪らなくもどかしい気持ちに声が漏れる。
「んん…っ」
「は…っきみは男を煽るのが相当上手いな」
「そ、なことな…っぁんっ」
「そんな声で啼いてよく言う」
肌に滑り込んだ手が私の身体を愛撫して高めていく。
もっと欲しい。
心の声が本能のままに高島さんを求めて叫ぶ。
触られたい。求められたい。もっと欲しい。
愛しいこの人の全てで愛されたい。
求められるままに身体を重ね、与えては求めてを繰り返す。
冷めることのない熱は一晩中お互いを貫いて求め合った。
誰かを傷つけても、自分が傷ついてもこの気持ちは止められなくて。
恋がどれだけ自分勝手なものなのか、この年になって改めて知った。
私の全部を知りたいというこの人には全てを見せられる。
弱い私も、自信のない私も、最初からすでに見抜かれていた。
せめて彼に呆れられないように、私も少しずつ強くなりたい。
この先もずっと、彼に終わることのない恋をして欲しいから。
-fin-
唇を離した高島さんが前髪を流すように顔に触れる。
その表情があまりに優しくてまた涙が溢れてきた。
「はい…」
「きみがこんなに泣き虫とはな」
「嫌ですか…」
「そんなことはない。俺はきみの全部が見たい。俺に何も隠すな」
そう言って瞼に口づけられたかと思うと舌で涙を掬われる。
「や…っ汚いです」
「隠すな。全部俺のものだろう」
「そんな…っ」
顔を反らそうとするも頬に手を当てられて逃れられない。
熱い舌が触れる感覚にぞくりとする。
「ん…っや、普通にキスして…っ」
顔を舐められる内に変な気分に苛まれる。
懇願するように訴えると突然身体を離した高島さんに抱きかかえられた。
「え、なに…」
「きみを抱く。好きなだけ口づけてやる」
「えっそんなつもりじゃ…っ」
ボスンとベッドに下ろされ、すぐに唇を塞がれた。
腔内を蹂躙するような激しい口づけに息をするのもままならない。
すぐに身体の奥から熱が競り上がってきた。
キスと同時に耳に触れる手に堪らなくもどかしい気持ちに声が漏れる。
「んん…っ」
「は…っきみは男を煽るのが相当上手いな」
「そ、なことな…っぁんっ」
「そんな声で啼いてよく言う」
肌に滑り込んだ手が私の身体を愛撫して高めていく。
もっと欲しい。
心の声が本能のままに高島さんを求めて叫ぶ。
触られたい。求められたい。もっと欲しい。
愛しいこの人の全てで愛されたい。
求められるままに身体を重ね、与えては求めてを繰り返す。
冷めることのない熱は一晩中お互いを貫いて求め合った。
誰かを傷つけても、自分が傷ついてもこの気持ちは止められなくて。
恋がどれだけ自分勝手なものなのか、この年になって改めて知った。
私の全部を知りたいというこの人には全てを見せられる。
弱い私も、自信のない私も、最初からすでに見抜かれていた。
せめて彼に呆れられないように、私も少しずつ強くなりたい。
この先もずっと、彼に終わることのない恋をして欲しいから。
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