能ある鷹は恋を知らない
「高島さん…っ」
「どういうつもりだ」
高島さんは私を抱き締めたままこっちを見ることもなく、いつも無表情な顔に怒りを浮かべて橋本くんを睨んでいた。
あまり見たことのない怒りの様子に汗ばんでくる。
「違うの、高島さんっ」
「きみは黙っていろ。こんなところを見せられてその上この男を庇うようなら理性が効かなくなる」
そう言って私を抱き締める腕にさらに力が入った。
まずいかもしれない。こんなに怒った高島さんは初めてだ。
「あ…すみません、俺。鮎沢に恋人がいるって知らなくて…」
「金輪際彼女に近づくな。二度目はない」
「…っすみません」
いつもより低い声が怒りの重みを感じさせる。
橋本くんは高島さんの射抜くような目と声に気圧されたように慌てて去っていった。
「あの…」
「来い」
橋本くんが完全に去ってから高島さんは私の腕を引っ張って歩き出した。
いつもより腕を掴む力も強く、歩くスピードも早い。
「高島さん、待って…っ」
私の言葉に何も言わず、近くに停められていた車に乗せられた。
車内の沈黙が重い。
ちらりと高島さんを見ると眉間に皺が寄ったままで前を見据えている。
「あの、ごめんなさい…」
耐えきれず呟いた言葉にも高島さんは何も言ってくれなかった。
流れる景色はやがて見慣れたビルの中へ入っていった。
車を降りると足早にエレベーターに向かう高島さんを追いかける。
口を利いてくれないことに不安がどんどん増していた。
「あ、…んっ」
エレベーターの中に入った瞬間、腕を引かれて壁に押し付けられる。
そしてそのまま強引な口づけで口腔内を掻き回すように乱された。
「んん…っ」
両手首も押さえ付けられて身動き一つ取れない。
息もできない程の荒々しい口づけにそれを受け止めることしかできなかった。
「はぁっ…は…」
唇が離れたかと思うとエレベーターの扉が開き、腕を引かれてそのまま部屋へ向かった。
「どういうつもりだ」
高島さんは私を抱き締めたままこっちを見ることもなく、いつも無表情な顔に怒りを浮かべて橋本くんを睨んでいた。
あまり見たことのない怒りの様子に汗ばんでくる。
「違うの、高島さんっ」
「きみは黙っていろ。こんなところを見せられてその上この男を庇うようなら理性が効かなくなる」
そう言って私を抱き締める腕にさらに力が入った。
まずいかもしれない。こんなに怒った高島さんは初めてだ。
「あ…すみません、俺。鮎沢に恋人がいるって知らなくて…」
「金輪際彼女に近づくな。二度目はない」
「…っすみません」
いつもより低い声が怒りの重みを感じさせる。
橋本くんは高島さんの射抜くような目と声に気圧されたように慌てて去っていった。
「あの…」
「来い」
橋本くんが完全に去ってから高島さんは私の腕を引っ張って歩き出した。
いつもより腕を掴む力も強く、歩くスピードも早い。
「高島さん、待って…っ」
私の言葉に何も言わず、近くに停められていた車に乗せられた。
車内の沈黙が重い。
ちらりと高島さんを見ると眉間に皺が寄ったままで前を見据えている。
「あの、ごめんなさい…」
耐えきれず呟いた言葉にも高島さんは何も言ってくれなかった。
流れる景色はやがて見慣れたビルの中へ入っていった。
車を降りると足早にエレベーターに向かう高島さんを追いかける。
口を利いてくれないことに不安がどんどん増していた。
「あ、…んっ」
エレベーターの中に入った瞬間、腕を引かれて壁に押し付けられる。
そしてそのまま強引な口づけで口腔内を掻き回すように乱された。
「んん…っ」
両手首も押さえ付けられて身動き一つ取れない。
息もできない程の荒々しい口づけにそれを受け止めることしかできなかった。
「はぁっ…は…」
唇が離れたかと思うとエレベーターの扉が開き、腕を引かれてそのまま部屋へ向かった。