能ある鷹は恋を知らない
すぐにコンシェルジュらしきカウンターを見つけて歩いていく。
「いらっしゃいませ。どちらにご用でしょうか?」
受付の女性が接客用の完璧なスマイルでお辞儀をしてから私に尋ねる。
「あの、『EAGLE・EXCEED』の高島に届け物なんですが…。鮎沢と言います」
「かしこまりました。確認致します」
"B.C.square TOKYO"のアッパーフロアの受付嬢。
その響きだけで全国の女性がどれだけ羨むだろう。
なんて栓のないことを考えながら待っていると声がかかった。
「鮎沢様、お待たせいたしました。こちらのカードをお持ちください」
そう言って渡されたのは首から下げる紐の付いた『GUEST』と書かれたICカードだった。
やはりセキュリティは万全らしい。
案内された通りに28階へのエレベーターに乗り、ようやく『EAGLE・EXCEED』の入ったフロアにたどり着いた。
エレベーターが開いた途端、壁に会社のロゴが現れる。
フロア一体が会社になっていると聞いていたものの、やはりかなり大きい印象だ。
脇に警備員の立つゲートにICカードをタッチし、入り口を見る。
そこには受付嬢のいるカウンターがあり、その正面にホテルのラウンジの規模が小さくなったような応接セットが点在していた。
とりあえずカウンターに向かって先ほどと同じ用件を伝える。
「あちらでお待ち下さい」と応接セットの一つを示され、空いていた椅子に腰かけた。
ここに高島さんが毎日通勤していると思うとなんだか不思議な気分だった。
そわそわと落ちつかないでいると後ろから声が掛かる。
「芹香ちゃん」
「あ、熊澤さん」
見知った顔に思わず立ち上がると彼は私の正面まで歩いてきた。
にっこり笑う笑顔が印象的な熊澤和幸さんは、高島さんと一緒にこの『EAGLE・EXCEED』を立ち上げた学生来の友人であり、共同経営者として働いている。
一度高島さんに紹介してもらったときから穏やかで優しい紳士的な人だった。
「いらっしゃいませ。どちらにご用でしょうか?」
受付の女性が接客用の完璧なスマイルでお辞儀をしてから私に尋ねる。
「あの、『EAGLE・EXCEED』の高島に届け物なんですが…。鮎沢と言います」
「かしこまりました。確認致します」
"B.C.square TOKYO"のアッパーフロアの受付嬢。
その響きだけで全国の女性がどれだけ羨むだろう。
なんて栓のないことを考えながら待っていると声がかかった。
「鮎沢様、お待たせいたしました。こちらのカードをお持ちください」
そう言って渡されたのは首から下げる紐の付いた『GUEST』と書かれたICカードだった。
やはりセキュリティは万全らしい。
案内された通りに28階へのエレベーターに乗り、ようやく『EAGLE・EXCEED』の入ったフロアにたどり着いた。
エレベーターが開いた途端、壁に会社のロゴが現れる。
フロア一体が会社になっていると聞いていたものの、やはりかなり大きい印象だ。
脇に警備員の立つゲートにICカードをタッチし、入り口を見る。
そこには受付嬢のいるカウンターがあり、その正面にホテルのラウンジの規模が小さくなったような応接セットが点在していた。
とりあえずカウンターに向かって先ほどと同じ用件を伝える。
「あちらでお待ち下さい」と応接セットの一つを示され、空いていた椅子に腰かけた。
ここに高島さんが毎日通勤していると思うとなんだか不思議な気分だった。
そわそわと落ちつかないでいると後ろから声が掛かる。
「芹香ちゃん」
「あ、熊澤さん」
見知った顔に思わず立ち上がると彼は私の正面まで歩いてきた。
にっこり笑う笑顔が印象的な熊澤和幸さんは、高島さんと一緒にこの『EAGLE・EXCEED』を立ち上げた学生来の友人であり、共同経営者として働いている。
一度高島さんに紹介してもらったときから穏やかで優しい紳士的な人だった。