能ある鷹は恋を知らない
「ん…今、なんじ…?」
「20時半を回ったところだ」
心地よい疲労の中、優しい声が耳元に降る。
「ご飯…どうしよう」
「身体が辛いだろう。ルームサービスにするか」
「はい…」
お決まりのように腕枕をしながら頭を撫でる大きい手。
まだ隣でゆっくりしていたい。
そんな私の気持ちを悟っているように高島さんは動こうとせずに居てくれる。
「高島さん…」
「なんだ」
「…好き」
「ああ、俺もだ」
ちゅ、と頭に落とされるキス。
胸がこそばゆいような、幸せが込み上げる。
「帰りたくなくなります…」
「ずっと居ればいいだろう」
「ふふ、それは無理です」
「どうしてだ」
「仕事があります」
「ここに居れば通勤は5分だ」
「色々、泊まりの準備もあります」
「服が足りないか」
「違います!服はもう住めるくらいありますから」
危ない。また服を買うなんて言い出されたらたまらない。
「じゃあ下着か」
「え?」
「そういえば下着は買っていなかったな」
「いや、あのそれは大丈夫ですからっ」
「こういう下着なら芹香が積極的になることが分かったしな」
「ぁ…っ」
着けたままのガーターベルトをなぞられて思わず声が漏れる。
「今度の休みはきみの下着を選びにいくか」
「だめですっ」
「きみが行かないなら俺が勝手に選ぶまでだ」
「それは…っぁ、もう、だめってば…っ」
「早く肯定しないと食事の時間がなくなるが」
「ん…っもう、高島さん…っ」
シーツの下に隠れた手が不穏な動きを見せるのを両手で必死に押さえる。
しかしガーターベルトとストッキングしか身に付けていない状況では明らかに不利だった。
「あ…っもう、分かりましたから…っ」
「素直にそう言えばいい」
「ん、ちょ…約束がちが…っ」
「食事は後でゆっくりとろう」
「もう…っ」
「きみの扇情的な誘惑には勝てない」
「やぁ…っん」
勇気を振り絞って身体を張った誘惑は結果的に成功と呼べるのかもしれない。
ただ、予想以上の手応えに体力の限界まで熱に翻弄され、溺れる夜になるのだった。
-fin-
「20時半を回ったところだ」
心地よい疲労の中、優しい声が耳元に降る。
「ご飯…どうしよう」
「身体が辛いだろう。ルームサービスにするか」
「はい…」
お決まりのように腕枕をしながら頭を撫でる大きい手。
まだ隣でゆっくりしていたい。
そんな私の気持ちを悟っているように高島さんは動こうとせずに居てくれる。
「高島さん…」
「なんだ」
「…好き」
「ああ、俺もだ」
ちゅ、と頭に落とされるキス。
胸がこそばゆいような、幸せが込み上げる。
「帰りたくなくなります…」
「ずっと居ればいいだろう」
「ふふ、それは無理です」
「どうしてだ」
「仕事があります」
「ここに居れば通勤は5分だ」
「色々、泊まりの準備もあります」
「服が足りないか」
「違います!服はもう住めるくらいありますから」
危ない。また服を買うなんて言い出されたらたまらない。
「じゃあ下着か」
「え?」
「そういえば下着は買っていなかったな」
「いや、あのそれは大丈夫ですからっ」
「こういう下着なら芹香が積極的になることが分かったしな」
「ぁ…っ」
着けたままのガーターベルトをなぞられて思わず声が漏れる。
「今度の休みはきみの下着を選びにいくか」
「だめですっ」
「きみが行かないなら俺が勝手に選ぶまでだ」
「それは…っぁ、もう、だめってば…っ」
「早く肯定しないと食事の時間がなくなるが」
「ん…っもう、高島さん…っ」
シーツの下に隠れた手が不穏な動きを見せるのを両手で必死に押さえる。
しかしガーターベルトとストッキングしか身に付けていない状況では明らかに不利だった。
「あ…っもう、分かりましたから…っ」
「素直にそう言えばいい」
「ん、ちょ…約束がちが…っ」
「食事は後でゆっくりとろう」
「もう…っ」
「きみの扇情的な誘惑には勝てない」
「やぁ…っん」
勇気を振り絞って身体を張った誘惑は結果的に成功と呼べるのかもしれない。
ただ、予想以上の手応えに体力の限界まで熱に翻弄され、溺れる夜になるのだった。
-fin-