One of Them〜第一幕〜『下書き』




「訓練用の服に着替えて訓練室の中に待機でよろしく。あぁ、今回は体力テストだから武器はなくていいよ」


…………とコウに言われ30分経過。


「先生遅くね?」

「あの着ぐるみ野郎」

「………zzz」

「いや、起きろよ!サヤ!」

「んー…、なに?先生来た?」

「逆だよ!こねぇんだよ!」

「…………じゃあ寝てても大丈夫「じゃねぇ!起きろぉ!!」…」

ソラに揺さぶられてサヤは唸りながらも起き上がる。









ブー!ブー!ブー!!

[緊急事態発生!緊急事態発生!直ちに戦闘体制に入れ。もう一度言う]


するといきなり警報がなってガチャン!と嫌な音がした。

扉の近くにいたシンがガチャガチャ!と開けようとするが開かない。3人が予想した通り鍵を掛けられた音だった。

「ちっ!やられた……」

「どうなってんだよ!?」

「どうなってるって、こうなってる?」

「んな呑気なこと言ってる場合か……!」

すると3人の前に黒ずくめの男が5人現れる。


「げっ、俺武器持ってねーよ?!」

「……っ!」

「わわっ…」

ソラとシン、サヤはコウの言いつけ通り武器を所持しておらず襲いかかってくる黒ずくめの攻撃を避けるのに精一杯だ。

(訓練開始…?)

サヤは呑気に考えながら水を手に纏ってそのまま黒ずくめに打撃を与える。

だけどあまり効いてないみたいですぐに起き上がってくる。


「それくらいも倒せねぇのかよ!?」

「ちっ、役立たずが」

「(そりゃ君たちよりかは成績低いし…)恵みなるもの、命の源となる水よ、その象徴を姿に示せ……ウォーター・ウエポン」

サヤは水魔法で武器を形作って2人に渡す。


「なっ!」

「うわ!すげぇ!水で出来た大剣!!」

「とりあえずそれで応戦してよ。サポートするし。……ウォーター・ショット」

サヤはそう言って小さな球を沢山作って黒ずくめ集団に放つ。

ダダダダダッ!と凄まじい音が響いて黒ずくめたちに直撃するが倒れない。

(え?今すげー音鳴ったよな?)

(………さっきのはわざと威力を弱くしたのか)

(これでも倒れないとなると服に細工してるのか鍛えてるのか、それとも他に理由があるのか…)


目の前の敵に3人は険しい表情をした。




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