One of Them〜第一幕〜『下書き』
ある大陸にウィンディ、サラマンド、シルフ、ノーマの四大国があった。
この四大国は絶えず自分の領土を広げるため600年もの月日争いを続けている。
その1つシルフの国にある大都市、シルフィード。
そこには王がいる城とともに子供の軍教育をする施設、があった。
その施設はアカデーメイアーと呼ばれ軍の一員になる者は6才に入学し6年間心身共に鍛え上げられ卒業試験を通らなければならない。
本日はその卒業試験が行われる日であった。
_______アカデーメイアー。
試験を待つ1人、星月サヤ<ホシヅキ-サヤ>はボーッと窓から空を見ていた。
「ちょっと、何ボーッとしてんのよ地味子ー」
そしてサヤはいつも通り、派手めのクラスメイトの暁 ラメ<アカツキ-ラメ>にちょっかいを出される。
王に仕えるお偉いさんの一人娘らしく彼女のやることに咎める大人はほぼいない。
いると言ってもすぐに注意して終わり、くらいだ。
サヤは心の中でまたか…と呆れていると被っていたフードごと銀色の髪を掴まれる。
「ちょっと、ラメちゃんが話しかけてるんだから返事くらいしたらどう?」
「…………ごめん、寝ぼけてた」
「ー!」
ドカドカッ、ガタン!!
返答が彼女の気にいる回答ではなかったらしくそのまま引っ張られ床に転がされる。
「ハッ、いい気味ねぇ?」
ラメとその取り巻きたちは嘲笑い、周りは見ているだけ。
サヤに助けなんてない。入学時からずっとそうだった。
その時先生が「待たせたな」と言いながら教室に入ってくる。
「ラメ、ほどほどにしろってあれほど言ってるだろう?」
「………はーい!」
ラメは先生に元気よく挨拶してサヤを開放し自分の席についた。
サヤも立ち上がって服を軽くはたき、席に戻る。
先生は何事もなかったかのように卒業試験の説明をする。