One of Them〜第一幕〜『下書き』
……ゴゴ、ゴゴゴゴゴ…!
すると地面は揺れ始め、大きな地震が起こる。
数十秒ほど続いただろうか。ゆっくりと地震は治っていく。
サヤはニコリ…と笑みを浮かべた。
「満足していただけましたか?」
「……………」
先生は大量の汗を掻き、腰を抜かしながらサヤを見ていた。
すると被害確認の見回りに来ていたのか他の先生が「大丈夫ですか?!」と教室を開けた。
その答えに「だ、だだ大丈夫だ…」と慌てて席に座りながら先生は答えた。
見回りの先生はその言葉を聞いて「じゃあ他のところも見回って来ます」と出ていった。
「??試験課題なのになんで見回り?」
「!!」
サヤの問いに動揺の顔を見せた先生をサヤは見逃さない。
「………まぁいいです。それより校長に会います。全員が全員こんな試験を受けさせられてるとしたら問題だと思いますから」
「!何が問題だと言うのだ!?」
「水魔法を学んでいた私が土魔法のBランクを発動させるなんておかしいでしょう?」
「!?何故Bランクだと….」
「知らないとでも?」
「ま、待て待て待て。合格したんだからいいだろう。おめでとう!君は立派な軍人になったんだ!それでいいじゃないか!!」
拍手をして祝福するがサヤはそれを冷めた目で見る。
「………ありがとうございます。先生。では、私はこれで失礼します」
私は教室を出てそのまま校長室に向かう。
「………私の魔法、舐めないでよね」
後日、その先生がアカデーメイアーから消えて何処へ行ったのか、それは誰も知らない。