【エッセイ】『願はくは花のもとにて』
図星を射抜く

先日あった雑談のなかのヒトコマから。

話題は先だって宗教に出家した女優と不細工なミュージシャンの不倫の件で、

「あれはどう考えても彼女が病んでる」

というような話…。

が。

「それ以前にあね不細工なミュージシャン、よく結婚できたよなー」

とか、

「あれなら希望もてるわ」

といったようなコメントもちらほら。

で、ずーっと脇でうちは聞いてたんですよ…作業しながら。

まぁそれで一頻り話が落ち着きかけて、

「で、蝶眠はどう思う?」

とうちにコメント求められた訳ですよ。

まぁ聞いてましたからなんとなく、

「それ…布教活動やろ」

というと、不倫でみんないきり立ってたのがピタリと鎮まって、

「…それ、辻褄合いすぎて怖いわ」

と空気が固まったといったような件がありまして。

まぁ、たまに図星を射抜いてみせるとみなさん驚くんですけどね。

でもちょっと美人を布教に使うのは昔からの手段。

前にうちが書いた『女房狩騒動記』に出てくるキリシタンの小侍従という官女は現に美形やったとされてまして。

実際に彼女は細川ガラシャの洗礼に立ち会ったりもしてましてね。

まぁ常套手段やのは知ってましたから、別に不思議はなかったかなと。

ちょっと可愛い女の子を使って布教をする…まぁありがちな話かなと。

ま、美人が近づいたら徹底的に疑えって話。



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