【エッセイ】『願はくは花のもとにて』
努力は嘘をつく
ようやく仕事の手が少し空いてきまして、やっぱり年度替わりは相変わらずワタワタやなーって。
で、今日はうちの仕事の話。
うちは花屋でも完全自家生産というなかなか珍しい手法でして、切り花も盆栽の素材も全てうちで生産してうちで販売というスタイルなんですよね。
だからたまに珍品やら希覯品がほしいというお客さんから、なかにはレアな花はないかと業者さんが来たりもします。
市内でもこんなスタイルは3軒しかないんで、まぁそういう珍しさだけで15年もやってまして。
ドカドカ売れてるわけではないけど、
「ここに来たら変わったものがあるんじゃないか」
みたいな感じで、問い合わせがかなり来るんですよね。
前にあった話としてはほとんど生産例がない種類の気をうちでたまたま大量に持ってて、少し安く売り出したら2時間で50鉢が完売した…なんてこともありまして。
でも成功ばかりはしないもので、大多数は失敗もあるんですよね。
だからよく努力は嘘をつかないとか、努力は報われるとか言う人がいますけど、それで言ったら枯れる花の説明がつかないんですよね。
つまり努力は嘘をつく。
報われない努力は事実あるのですよ。
けど、そこで次にどう繋いで行くかが無駄になるかならないかの分かれ道。
単にムダな努力やったって思うか、次にこうすればリスクは減ると考えるか、それは本人次第なんですよね。
うちは無駄はないと思ってます。
なぜなら学生時代に学んだ化学が、無駄かと思ってた知識がなぜか花屋の生産の仕事で活きてますからね。
存外、繋がったりするもんです。