【エッセイ】『願はくは花のもとにて』

話は約9年ばかり前まで遡ります。

うちでなんとなく気まぐれに、たまたま通販で出てた「世界遺産・奈良吉野山の桜の種子20粒」というものを300円で購入。

で、

「まぁ紅葉が楽しめたらいいか」

ぐらいな軽い気持ちで蒔いたのが始まり。

その後は20粒蒔いて15本の芽が出て、ちょっと育ててたんですね。

そのとき起きたのが東日本大震災。

たまたま東北には親しい仲間が3人ほどいて、まぁみんな無事ではあったけど大変な目に遭って。

世間が物資を送り始めたとき、

「いつか必ず心の復興が必要な日が来る」

ということで、15本のうち14本を知り合いのつてで東北に送ったんですよね。

で、まぁ4年目に向こうで初めての花が咲いて。

でもうちに残った1本はなかなか咲かなかったんですよ…

残った理由は単に梱包のサイズに入らなかったから。

それでも必死に育ててたんですよね。

そしたら今年…



遂に咲いてくれました。

1輪だけ。

もう札幌では染井吉野も散って、八重桜の時期。

しかも咲いたのは11日。

それでもやっぱり、気持ちはひとしおやね。

ようやく、まぁうちなりの個人的なもんやけど節目が来たかな。

桜は1回咲いたら次からは咲きやすくなるので、早くも次回の桜が楽しみになってきました。

まだ染井吉野が散ったばかりやけどね。



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