【エッセイ】『願はくは花のもとにて』
19年は長かった

いやー勝ちましたよ、わがベイスターズ。

今世紀初の日本シリーズです。

うちはホエールズの時代からベイスターズ一筋でしたので、まあ日本シリーズは2回目なんですが、19年ぶりですよ。

19年は長かった…

その間、天国も地獄も見た。

身売りもされたし親会社も変わった。

そんな弱いチームなんか応援しないでファイターズに来い、と言った札幌の友達もいた。

でも。

「魂は売らん!」

と突っぱねて、どうにか頑張ってきました。

もうここまで来たら、もはや意地と言うか腐れ縁というか。

魂を売ってFAで巨人に行った裏切り者もいた。

母親の病気で、活躍する姿を見せて親孝行したいと、福岡のチームに行ったのもいた。

活躍する姿が眩しかったなー。

今度はそこと戦います。

相手にとって、不足なし。

さすがに今回はテッペンとれるかどうかは、20年以上見てますが分かりません。

でも。

ここで気張らんかったら何のために苦節19年辛抱してきたんか分からんくなる。

もうあのときの優勝を知る選手はいないけど、みんなあのチームが好きで好きでたまらないメンバーばかりで、それが分かるからうちもずっと見捨てられなかった訳で。

うちなんか安針塚の練習場とか普通に見に行ったりもしてたし。

横浜には5年半いたから、東京の小説が書けんくて、いまだに関東が舞台の作品は神奈川の地理しか分からんから、つい描く景色が鶴見とか横須賀とか湘南とかになる。

うちの遅れて来た青春時代のほとんどが鶴見時代なんで、だから思い入れも強い。

よくデーゲームの帰りに中華街で台湾ちまき買って食べたっけ。

伊勢佐木町で遊んでからナイター行ったこともあったし、当時付き合ってた彼女の住んでた、日ノ出町の京急の駅から訳もなくぶらぶらしてみたこともあった。

震災で疎開したのも茅ヶ崎やったしね。

だからうちのリアルタイムの青春って暗黒で、それを取り戻そうとしてた時期で、だから逆に鮮明で、あの日なら戻りたい。

そんなときから、わがベイスターズはいつも共にありました。

また崎陽軒のシウマイ弁当片手に、あの勾配のきつい外野席で観たいなぁ。

ラミちゃん、たのんまっせ!



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