絵本 短編集
あるとき、平原に一人の男が倒れていました。
どうやら迷いこんでしまったようです。
初めて見る人間に、ホウは興味津々でしたがオウは怖がりました。
けれどもこのままでは男は死んでしまいそうです。
オウは笹の葉を摘んでくると、くちばしで器用に編んでお皿を作りました。
ホウはその笹の葉のお皿に泉の甘い水を汲むと、男に飲ませました。
すると男はみるみる元気になりました。
「ありがとうございます。これで愛する妻の元にもどれます」
男は何度もお礼をいいながら帰っていきました。