届くなら、あの日見た空をもう一度。
第三章『明日も来る』
かなちゃん?
そこには記憶に残っているよりだいぶ背の伸びたあの子がいた。
なんで?
どうしてここにいるの?
頭が混乱して言葉がでてこない。
「他に誰に見えるんだよ。様子、見にきたんだ」
小さく笑いながらかなちゃんはそう言った。
ああ。
そうか。
声にでてたんだ。
と、遅れて気づく。
「様子?」
「中、入って良い?」
かなちゃんの言う通りだ。
こんなところで立ち話もなんだよね。
体を少し引っ込ませてかなちゃんの通るスペースを空ける。