届くなら、あの日見た空をもう一度。
第三章『明日も来る』

かなちゃん?

そこには記憶に残っているよりだいぶ背の伸びたあの子がいた。

なんで?

どうしてここにいるの?

頭が混乱して言葉がでてこない。

「他に誰に見えるんだよ。様子、見にきたんだ」

小さく笑いながらかなちゃんはそう言った。

ああ。

そうか。

声にでてたんだ。

と、遅れて気づく。

「様子?」

「中、入って良い?」

かなちゃんの言う通りだ。

こんなところで立ち話もなんだよね。

体を少し引っ込ませてかなちゃんの通るスペースを空ける。
< 160 / 465 >

この作品をシェア

pagetop