届くなら、あの日見た空をもう一度。
第四章『何事もなるようにしかならないんだから』
ずっと見てた。
ずっと見てきた。
早く追いつきたくて。
俺も隣に並びたくて。
守ってあげたかった。
だけどどれだけ強く思ってもそれは一方通行でしかなくて。
あの人はそんなこと求めていなかった。
あんな姿を、あんな顔を見ても。
俺には何もできない。
話しすら聞いてあげられない。
あの人との間に居座る九年という時間を呪うことしかできなかった。
ああ。
早く大人になりたい……。