届くなら、あの日見た空をもう一度。
その頻度はどんどん減っていき、去年は一日だって帰ってこなかった。
でもやっとここまできた。
これからは俺が会いに行けばいい。
はやる気持ちにブレーキをかけるように電車は一つ一つの駅に停車した。
早く動け。
念じたって仕方ないけど、停車する度に何度も唱えた。
それでも電車は、当たり前だけど駅に差し掛かる度にスピードを落としては止まり。
人を乗せてはまた動いて。
一定の速度と時間を守りながら走り続けた。