届くなら、あの日見た空をもう一度。
聞き逃してしまいそうなくらい小さく力のこもらない声。
でも確かにそれは俺の知っているなのねえの声だった。
訳が分からなかった。
なのねえの姿は風邪とか寝不足とかそんなもののせいなんかじゃない。
なのねえから感じる空気は生きている人のそれとは全然違う。
なんでなのねえはこんな姿をしてるんだ?
たった一年ちょっと会わなかっただけなのに、どうしたらこんなことになるんだ?
部屋の中に入って確信した。
なのねえの身に何か大変なことが起きたのだと。