届くなら、あの日見た空をもう一度。

俺がここで踏ん張らないと。

溺れてるのは菜乃花なんだから。

「子供だから?

俺がガキだからそうやって強がるの?」

できる限り落ち着いて話したつもりの声は、耳に届くと僅かに震えていた。

「違う!」

菜乃花の目から、本当にそう思ってくれてるのが伝わってきた。

嬉しかった。

嬉しかったのに。
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