届くなら、あの日見た空をもう一度。
「本当に何もないだけだよ?」
そう言う彼女の顔は何一つ大丈夫じゃないとそう言っているのに、耳に届いた言葉はそうじゃなかった。
どうしてこんなにも好きになってしまったんだろう。
見続けてきてしまったんだろう。
子供だから話してくれないんじゃない。
頼ってくれないんじゃない。
そんなこと思いたくなかった。
知りたくなかった。
だけどそういうことなんだ。
俺だから。
……話してくれないんだ。