届くなら、あの日見た空をもう一度。
菜乃花の顔が強張る。
「俺には何もできないかもしれない。
でも、少しでも、なんでもいいから、菜乃花の力になりたい」
こんな言葉しか伝えられないけどどうか届いて。
強張っていた顔から力が抜けていくのが分かった。
でもその先にあったものは泣きたくなるほど弱く、悲しい笑顔だった。
見てられなかった。
決めたのに。
傍にいるって。
そう決めたのにー
「また来る」
それがいまの俺の精一杯だった。