届くなら、あの日見た空をもう一度。
第五章『ぜひ二枚お持ちください』
どれくらいの時間が経ったのだろう。
部屋の中はすっかり暗くなってしまっていて。
壁に貼られたかなちゃんの絵がよく見えなくなっている。
電気をつけてキッチンに立つ。
そこにはかなちゃんが来る前に用意していた二つのカップが並んだままになっていた。
びっくりした。
理由も聞かず毎日来てくれていたのはただ心配してくれていただけなんだと思ってた。
まさか私のことを好きでいてくれてたなんて知らなかった。