届くなら、あの日見た空をもう一度。
第六章『愛してる』
瞼に落ちる光に眩しさを覚えゆっくりと目を開ける。
温かかった。
布団にこもった熱とか、日差しの暖かさとか、そういうものじゃなくて。
別の何かが体の奥から私を温めた。
その温かさがなんなのか、私は知っている。
これはかなちゃんがくれたものだ。
全てを失って空っぽになった私を、それでも真っ直ぐに優しく包んでくれた。
何度も、何度も。
一生懸命に。
ああ、私はいまこんなにも温かい。
満たされている。