届くなら、あの日見た空をもう一度。
久しぶりに自分だけの為にコーヒーを淹れた。
淹れている時は香りが鼻腔を刺激して、早く飲みたいだなんて思ったのに。
いざ出来上がって。
腰を下ろして。
もたれ掛けてしまうとなんだか急に眠気が襲ってきた。
瞼さえ持ち上げていられないほどの強い眠気。
それに逆らわず瞼を閉じる。
それでも目には光が届き、白く明るい世界がそこにはあった。
ただ白く明るいその中で、かなちゃんの顔が思い浮かぶ。