届くなら、あの日見た空をもう一度。

そしてその気持ちはいまこの瞬間も俺の心に居座り続けている。

散らかった部屋が急に恥ずかしくなった。

なのねえや兄貴はこんなふうに部屋を散らかさないだろう。

そう思うと部屋の有り様が恥ずかしかった。

だから俺はいつも置いてけぼりなんだ。

俺は子供ならではの意味の分からない結論をだした。

散らかした漫画やゲームを片付けた。

漫画を本棚にしまい、ゲームを引き出しの中にしまった。

それから一番上の引き出しを開けて一枚の封筒を取り出した。

そこには図工の時間に作った簡素なしおりが入っていた。
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