届くなら、あの日見た空をもう一度。
※※※
「菜乃花ちゃん。体には気をつけてね。
勉強も遊ぶのも良いけどご飯もしっかり食べるのよ」
「おばさんありがとう」
「ああ。本当に寂しくなるわ。
修司が出ていった時より寂しいのよ?
あ、何かあっちで困ったことがあったら修司に言いなさいね。
いくらでもこき使ってくれて良いからね」
「ふふ。修くんしっかりしてるし頼もしい。
ぜひそうさせてもらいますね」
ーチク
そのやり取りを聞いて寂しさとは違う感情が俺の中に流れる。
その感情の名前も意味も分からないまま、俺はなのねえの顔を見ていられなくなって俯いた。