パーフェクト・インパーフェクト


「……大丈夫?」


いつのまにか肩じゃなく、髪ごとうなじあたりを握りしめていたわたしに、彼が伺うように言った。

まだまだ、余裕の顔。
でもちょっとだけ声がかすれている。


「ん……だいじょうぶ、です」

「もうちょっと進んでみる?」

「はい……」


このまま最後まで、奪うようにされたってかまわないのに。

条件反射で泣いちゃっても、嫌だってこぼしても、無視して続けてくれればいいのに。


それくらい余裕なく、必死に、わたしを求めてほしいよ。


子ども扱いじゃなく、女の子扱いされたいの。


さっきまでわたしの口のなかにいたものが、そっと首筋に噛みついた。

たくさんの優しいキス。

たまに舌が触れると、ぞくぞくして、どうにも全身がこわばってしまう。


「体、すごい力入ってる」


顔を上げてそう言った彼は、とても自然に右手をわたしのパジャマの下に潜りこませた。


「……きょうはもうやめにしておこうか」


だけどそう言うと、すぐに触れるのをやめてしまったのだった。


「な……んで、できるもん」

「ちょっとずつでいいんだよ」


そんなふうに髪を撫でられても、ぜんぜん、納得いかない。

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