パーフェクト・インパーフェクト
✧︎*。
車で行くよ、と言われたときは本当に驚いた。
東京から、彼の生まれ育った街まで、マップで見てみたら本当に果てしない距離だった。
新幹線を使っても何時間とかかるはずなのに、高速道路だと、いったいどれくらいの時間が必要なのだろう?
「なんとなく、時間かけて、ゆっくり行きたくて」
思わず、本気なの、と聞いてしまったわたしに、そんな返事。
何気ない言葉だったけど、そこに複雑な気持ちがぎゅうぎゅうに詰まっている気がして、うまいこと答えられなかった。
彼がしないので、わたしも宿泊の準備はしなかった。
日帰りのつもりらしい。
けっこうしっかり早朝に出発したから、後部座席で寝ていていいと言われたけど、きちんと目覚めて、メイクをして、助手席に座った。
こんな時間だというのに、さすが、首都高はなかなかに混んでいる。
「朝ごはんなに食べようか」
ハンドルを握った彼がのんきにそんなことを言う。
緊張して、とても朝食のことなんか考えられるような心境ではなかったので、こっちが拍子抜けしてしまった。
「サービスエリア寄るならやっぱり海老名かな」
「海老名って施設すごいって聞いたことある!」
「行ったことない?」
「うん、ないの」
完全に旅行気分。
でも、わたしのほうが辛気くさいのもよくないと思うし、できるだけ楽しむことにした。
それにこれはきっと、前に進むためにする、過去をめぐる旅。
決して悲しい旅行じゃないから。
車で行くよ、と言われたときは本当に驚いた。
東京から、彼の生まれ育った街まで、マップで見てみたら本当に果てしない距離だった。
新幹線を使っても何時間とかかるはずなのに、高速道路だと、いったいどれくらいの時間が必要なのだろう?
「なんとなく、時間かけて、ゆっくり行きたくて」
思わず、本気なの、と聞いてしまったわたしに、そんな返事。
何気ない言葉だったけど、そこに複雑な気持ちがぎゅうぎゅうに詰まっている気がして、うまいこと答えられなかった。
彼がしないので、わたしも宿泊の準備はしなかった。
日帰りのつもりらしい。
けっこうしっかり早朝に出発したから、後部座席で寝ていていいと言われたけど、きちんと目覚めて、メイクをして、助手席に座った。
こんな時間だというのに、さすが、首都高はなかなかに混んでいる。
「朝ごはんなに食べようか」
ハンドルを握った彼がのんきにそんなことを言う。
緊張して、とても朝食のことなんか考えられるような心境ではなかったので、こっちが拍子抜けしてしまった。
「サービスエリア寄るならやっぱり海老名かな」
「海老名って施設すごいって聞いたことある!」
「行ったことない?」
「うん、ないの」
完全に旅行気分。
でも、わたしのほうが辛気くさいのもよくないと思うし、できるだけ楽しむことにした。
それにこれはきっと、前に進むためにする、過去をめぐる旅。
決して悲しい旅行じゃないから。