パーフェクト・インパーフェクト


お会計は当たり前のように4人のお兄さんたちが済ませてくれた。

わたしたちだって自分で働いて決して少なくないお金を稼いでいるし、これは友人どうしの飲み会じゃないから絶対に譲りたくなかったのだけど、「年下の女の子の前ではカッコつけさせて」とアキさんに言われたら、もう黙るしかない。


でも、お会計のときでさえ、4人は本当に楽しそうで。


アキさんの「きょうは誰だ?」から始まって。

皆川さんが「洸介じゃなかった?」と答えて。

「俺だっけ」と瀬名さんが首をひねるやいなや、弟さんが「じゃあ次は超高級焼肉で」とつぶやく。


どうやらみんなでご飯を食べたときは順番にお支払いをしているみたい。

今回は瀬名さんで、次回はアキさんだって。


“高級焼肉”はきっと弟さんの仕返しだって思った。

それなら次回はぜひ“あおいさん”も連れていってあげてほしいなって、ぜんぜん部外者なのに、ひそかに思ってしまう。

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