パーフェクト・インパーフェクト


直近でふたりの休みが合いそうなのは、12月22日と、25日みたいだった。

まさかその日が上がってくるとは思っていなくて、さすがに面食らう。


「あの……クリスマスはちょっと」


顔が見えない電話ってあんまり得意じゃないけど、きょうばっかりはありがたいな。

ぜったいわたしいまビミョーな表情をしていると思うから。


だってふつう、既婚者が当たり前のようにクリスマス当日を候補に上げる?


「あ、ほんとだ、クリスマスだ」


その反応、もしや忘れていたの?

ちゃんとプレゼントの用意してある?


よその家庭のことなのに変な心配をしてしまう。


それに、きっと街中にラブラブな恋人どうしがあふれかえるその日、皆川さんとならんで歩きながら、その空気に耐えられる気がしない。


「クリスマスはさすがに予定あるよな」


いや、わたしじゃなく、あなたが。

クリスマスくらいは家族といっしょに過ごしたほうがいいに決まっている。


「じゃ、22日でいい?」

「はい、ぜひ!」

「わかった、迎えに行くよ」


何時にどこへ行けばいいですか、と訊ねようと思っていたところに、さらりとそんなことを言われてくちびるを噛むかと思った。

< 95 / 386 >

この作品をシェア

pagetop