きっとこの輝きは消えないでしょう。





「さよーならーー!あっ、“オーヨー!”」




大きく手を振ると町のみんなが手を振り返す。




『オーヨー』という言葉はこの町特有の挨拶だ。




朝昼晩関係ない挨拶用語で、特に歓迎をするときに使うときが多いらしい。




とニーナさんのお店でいろいろ話をした時に教えてもらった。





『無視は寂しかったわ〜』と笑って言われてしまった。





オレは慣れないワンピースを翻し、最終目的地『王国ジュエレイド』へ歩き進んだ。






とても温かい人達だったな~。



と道中微笑ましく思い、両手に持っている袋を眺める。





これだけは大誤算だった。



別れ際、たくさんのプレゼント(ニーナさん家のクッキーや雑貨、採れたての果物など)を貰ってしまったことは……。






「あー、重てぇ……」




一度立ち止まり、また歩みを進める。




王国はもうすぐだろう。




この森の中を行った先にあるはずだ。




そして、宝石でできた心臓の存在も。





脳裏に情報が書かれた紙を引っ張りだし、もう一度確認する。




まずは、……休みたい。





そんなことを思いながら、歩き進め、月が顔を出した頃。






アンザは遂に目的地へ無事、入国することができたのである。







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