きっとこの輝きは消えないでしょう。
「トパズ」
僕を呼んだ父の声はあの時と同じ静かで、冷たい。
だけどもう僕は怖くない。
「僕、知ってるよ」
そう口に出すと空気を斬ったかのような静けさだけが残った。
「みんなは隠してきたかもしれないけど。もうとっくに知ってた。この心臓のこと」
自分の中心を握る。
部屋にいる3人の息の音が止まった。
「昔から、知ってた。お父様とお母様が話しているのを聞いてた。だから僕は自ら外に出ようとしなかった。でも……」
やっぱりきみの存在が大きかった。
消えたあの日から僕の時間は止まったままなんだ。
「僕は、あの子を探したいんだ!
あの子は僕の光なんだ。たくさんのことを教えてくれた。僕の知らないことを教えてくれた。
あの子がいなかったら僕の心は真っ白で、空のままだった!僕は……っ、ただ……」
頬に生温かいものが伝った。
なんで泣いているのだろう。
誰も僕の声を聞いてくれようとしてくれないから?
僕だって普通に過ごしてみたいんだよ。
護られるのは嫌いじゃない。
でも、それで不自由になるのはもう沢山なんだ。
きみは僕の光で太陽だった。
もし、本当にこの世にいないとしたら、僕はもう……。
そんな残酷な思いが過ったとき、辺りが暗くなった。そして温もりを感じた。
僕を呼ぶ声に目を見開いた。
やわらかく、落ち着いた声音で僕を抱き締めているのは、間違いなく父だった。