きっとこの輝きは消えないでしょう。





困ったように笑う彼にオレも同じ顔を向けた。




どうすればいい?

どうすればいいのだろう。




このカタチを知ってしまえば彼はきっと消えてなくなってしまう。



なんで、オレはあんたと出会っちゃったんだろう。


なんで今になって気づいてしまったんだろう。




なんでっ、彼は宝石心臓なの?





「やめろよぉお、よけい出てくっ、からぁ」


「僕はなんで泣いてるのかわからないんだけど……?」


「知らねーよっ……ぅっ、トパズのばかああ……っ」





やだ。消えないでよ。そばにいてよ。トパズ。



こんなに泣くのはいつぶりなんだろう。


まるで子どもみたいだ。


ばかばかしい。なんでオレがこんなに泣かないといけないんだよ。





「笑ってよ。キミは笑顔が一番なんだから」




そう言ってトパズの手が頭に触れた瞬間、薄れていた記憶が勢いよく浮き出てきた。




『わらってよ。きみのえがお、ぼくすきなんだ』




こんなめぐり逢いをオレは信じたくなかった。



でも、知ってる。


オレンジ色の目を持った男の子と昔一緒に過ごしていたことを。








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