きっとこの輝きは消えないでしょう。
「トパズってさ〜、いつも何考えてるか分かんないよねぇ。正直、一緒にいても全然楽しくなかったし。そうだよ。今までずっと気を遣ってきたし……」
声が震えていないことを祈りながら続ける。
思ってもいないことばかり次々口から放たれる。
彼の顔が歪んでいくのをみた。
こんなことしか言えないなんて。最後の別れぐらい笑っていたいのに。
本来ならそうするはずだったのに……。
なんで、どうして、涙が出てくるの?
トパズの顔が歪んで見えたのは、自分が涙しているからだった。
「さよなら。もう会うことは二度とないよ」
急いで窓から離れた。
ハシゴを下りて大きな太い幹に手をかける。
何度もオレの名前を呼ぶトパズ。
その声は震えていた。
泣くなよ。男だろっ。
あんたこそ笑っててよっ!
オレだって、昔からトパズの笑顔が好きなんだから。
木を登って塀を超えた。
ただ前を見て歩く。心を無にして歩く。
それなのに、うるさく届く彼の声。
だから逃げるように足を速めた。