きっとこの輝きは消えないでしょう。





刃が衣を裂く生々しい音がした。




小さく消えてしまいそうな声と

息を呑み込む微かな音でさえ間近に届いた。




もうオレはこの世にいない存在になっているから、痛みも感じないのだろう。



閉ざされたまぶたをゆっくり開ける。





目の前に彼の顔があった。


その顔は薄い笑顔でいて、ガクンと下に落ちた。





「……え」




見下ろせばトパズが横たわっていて。



ボスの顔をみた。


目の奥が思いきし開いている。


手元を見た。


銀色の先端が赤く染まっていた。





なんで倒れてるの?


オレの息が止まっていないことに気付く。感覚もあることにも。




あ、れ?なんで……?


横たわっているトパズを仰向けにさせると、胸の辺りが赤く染まっていた。





「トパズ!?トパズ!!しっかりして!ねえ、!」





黒い影が引くのを横目でみた。





「ねえって!なんか言ってよっ」




うっすら開いた瞳。



名前を呼ぶといつも見せる笑みを浮かべた。







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